話題の料理家による、手軽に最大のおいしさを引き出す家庭料理の連載 「あしたの家庭料理」。その特別版としておすすめの「鍋料理」を教えていただきました。寒くなるほど試したくなるレシピがずらり、揃いました。

今回は、石野智子さんの「ブイヤベース鍋」をご紹介します。


ブイヤベース鍋

簡単にできる、石野さん流の"シュリンプストック(海老出汁)"は濃厚なおいしさ。たっぷりの魚介類と煮込むと、さらに味わい深いブイヤベースになります。

あしたの家庭料理
撮影=sono(mame)
海老のおいしさを凝縮した出汁はワインが進む味です。シュリンプストックはレシピを覚えるとアレンジ自在で便利。残ったスープはリゾットにするほかパスタを絡めてもおいしい !

材料(作りやすい分量)
海老(殻付き) 8匹
鯛 150〜200g
あさり 12個
玉ねぎ 90g
フェンネル(なければセロリ) 60g
トマト 500g
ベイリーフ  1枚
イタリアンパセリ 適量
ファロ(ゆでていないもの。なければリゾット米) 1/2カップ
みじん切りにしたにんにく 大さじ1と1/2
オリーブオイル 大さじ2
フェンネルシード 小さじ1/2
唐辛子フレーク 小さじ2/3
トマトペースト 大さじ2
白ワイン 50ml
パルメザンチーズ 適量
水 300ml
塩 小さじ1
白こしょう 小さじ1/2

作り方
1.簡易版シュリンプストックを作る。海老を殻から外して、身は別に取っておき、殻はきれいに洗う。殻と水を20分ほど火にかけて濾しておく。

2.厚手の鍋にオリーブオイルを引いて火にかける。1cm幅の角切りにした玉ねぎ、みじん切りにしたにんにく、フェンネルシード、唐辛子フレーク、塩小さじ1、白こしょう小さじ1/2を入れて2~3分炒め、1cm幅の角切りフェンネルを加えさらに1~2分炒める。

3.2にトマトペーストを加え、香りが出たら白ワインを入れてアルコール分を飛ばす。ざく切りにしたトマト、1でできたシュリンプストックのうち150ml、ベイリーフを加え、微沸騰になったらアクを取って、蓋をして弱火で20分程煮込む。味見をして必要なら塩(分量外)で調える。

4.1で殻をむいた海老、4~5cm幅に切った鯛にそれぞれ塩、白こしょう(ともに分量外)を振る。どちらも3の鍋に加え、砂抜きしたあさりも入れたら、蓋をして1~2分強火にかける。あさりの殻が開いたら完成。皿に取り分けたらざく切りにしたイタリアンパセリを散らす。

5.締めは、残ったスープにファロ(もしくはリゾット米)を加えて10分ほど火にかける。好みでパルメザンチーズを削り入れる。

【Point】
米で作ることが多いリゾットも、石野さんのおすすめは穀物の一種、ファロ。栄養満点でスープをしっかり吸うので、最後までスープの旨みが楽しめる。

あしたの家庭料理
撮影=sono(mame)


あしたの家庭料理

教えてくださったのは…… 

石野智子さん
いしのさとこ●ニューヨークのレストランやカフェで勤務後に帰国し、レシピ開発や出張料理で活躍。オンライン料理教室も好評。詳細はサイトから確認を。


あしたの家庭料理Special「毎日食べたい鍋レシピ」

1. 石野智子さんの「ブイヤベース鍋」(この記事)
2. 海原 大さんの「ねぎま鍋」
3. 原田アンナベル聖子さんの「せりと根菜と鶏肉の鍋」
4. まきあやこさんの「白いおでん」
5. 竹花いち子さんの「手羽先とわかめのお茶鍋」
6. うすいはなこさんの「石狩鍋」
7. 鈴木康一さんの「ペポーゾ」
8. 二部桜子さんの「ベジブロス鍋」
9. はるいはるのさんの「ラムのオイルしゃぶしゃぶ」
10. 國長亮平さんの「香味野菜と牛すね肉の赤ワイン鍋」
11. ばばかつえさんの「魚介の豆乳鍋」
12. 山田英季さんの「きのこのタッカンマリ」
13. 大津光太郎さんの「豚とレモンのジャスミン茶鍋」
14. 白井瑛里さんの「ココナッツミルクの海鮮きのこ鍋」
15. しらいのりこさんの「エスニックしゃぶしゃぶ」


撮影=sono(mame) 編集・文=八木あきほ(婦人画報編集部)

『婦人画報』2024年1月号